ただいま議長の許可をいただきましたので、私は大阪維新の会東大阪市議団を代表いたしまして、今定例会に上程されております議案第94号東大阪市職員給与条例及び東大阪市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例制定の件に関しまして、反対の立場から討論させていただきます。
令和元年度人事院勧告によると、民間給与との較差を埋めるため、俸給表の水準を引き上げ、平均改定率0.1%、ボーナスを引き上げ、0.05月分、民間の支給状況等を踏まえ勤勉手当に配分とされています。
人事院勧告は労働基本権制約の代替措置として国家公務員に対し社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものであり、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させることを目的に行われています。
では地方公共団体においてはどうでしょうか。地方公務員法第24条に規定された均衡の原則を根拠に、多くの団体が国家公務員に準じた対応をされています。
これは、国家公務員の給与は人事院勧告によって決定されているが、人事院勧告には民間企業の賃金が考慮されているので、地方公共団体がその給与を準ずることとしておけば、国及び地方公共団体とも均衡がとれ、地方公務員法の趣旨にもかなうとして、安易にこの国家公務員に準ずることを永年継続している結果にすぎません。
10年前に国家公務員は給与構造改革を実施し、本市もそれにならいました。
この給与構造改革は、地域の民間賃金を反映させるための地域間給与配分の見直しが大きなテーマでした。
では本市において、このことは実現されているのでしょうか。
人事院勧告は、民間給与の比較対象として従業員50人以上の事業所を対象としています。しかし本市は中小企業の町です。平成28年度の事業所数は2万4644、従業員数は23万1607で、1事業所当たりの平均従業者数は9.4と、10人を下回る水準です。
このような状況において、人事院勧告が本市地域の実情を十分に反映させたものであるとは言えません。他団体と同様の、安易に国家公務員に準拠することから脱却し、地域の実情を十分に考慮した、市民が納得できる給与制度を提示する責務を果たすべきではないでしょうか。そしてその上で給与の見直しを提示すべきです。
さらに申し上げますと、本市のラスパイレス指数は、平成30年度で101.8です。政令指定都市を除く大阪府内の市町村で最も高いものです。他のほとんどの市町村で指数100以下に対し、本市では過去10年間で平成26年以外はすべて指数100を上回っている高水準であります。
本市の財政状況については中長期的になお厳しい見通しとなっており、中長期財政収支見込においても、実質収支は年々悪化を見込んでおられます。
さらに、本市の市債残高は過去最高を更新し続けております。
市長ご自身も所信表明において、将来に目を向けますと少子高齢•人口減少社会が進み、労働力人口の減少による市税収入の減少や、高齢化による社会保障費の増加など、様々な影響が現れることが予測されております。
さらに、市制施行当時から高度成長期に整備された公共施設等が耐用年数に達し、その長寿命化対策や、上下水道、道路橋梁等の都市基盤の老朽化対策にも多額の財政負担が見込まれるとおっしゃっておられます。本市財政の状況を鑑みますと今、人事院勧告を受け入れるべきではありませんし、そして本市の財政の危機的状況については、市長、理事者、我々議員、全体で考えなければいけない問題であると考えます。
以上の理由により、今定例会に上程された議案第94号につきましては反対の立場であることを申し上げ、討論を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。